快晴の鬼火焚き
真っ青な空の下、今年も正月を締めくくる島の伝統行事、「鬼火焚き」が行われた。鬼火焚きは、厄を祓い、その年の無病息災などを祈願する火祭りのひとつで、屋久島では集落ごとに行われる。
「屋久島の北海道」とも称される我が船行集落では、鬼火焚きのときは、いつも天気がいまひとつで、あられがパラつくほどの寒さに見舞われることが多いが、これほどの好天に恵まれるのは稀だ。
午後3時、鬼の絵を掲げた「御柱(モウソウチクにマダケとバチバチの木=ハマヒサカキを巻き付けたもの)」に火が放たれると、まさしくバチバチと音を立てながら、炎が御柱を駆け上がる。同時にモクモクと煙が立ち上ると、いつもは灰色の空に融け込んでしまうのだが、今年は青空を背景にくっきりと浮かび上がった。
そして人々は、鬼の絵をめがけて一斉に弓で矢を放つ。息子も一緒になって懸命に弓を引き、何度か矢を放ったものの、残念ながら鬼を射抜くことはできなかった……。
やがて御柱が燃え崩れ、ある程度火が鎮まったところで、島では「焚きもん」と呼ぶ燃え残った木片を取り出す。これをカズラのつる枝で結んで家に持ち帰り、玄関に「魔除け」として置くのが慣わしだ。
屋久島へ移住して7度目となる鬼火焚きを終え、また新たな1年が始まった。今年はこの日の天気のように、心も気持ちよく晴れ渡るような、そんな1年にしたいものだ……。
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「屋久島ブック2012」(山と溪谷社)
コメント
お久しぶりです。本年もよろしくお願いします。
いい風習ですね。このような風習は残していきたい日本の原風景ですね。ただし、準備する人がなかなか大変でしょうが。都会になればなるほど、このような風習はドンドン廃れていって、準備に関わる地域の人のつながりもどんどん薄くなる。こういう風習を通じて、助け合いながら‘お互い様’で暮らしていくこと、これが昔ながらの日本人の暮らし方だったのでしょうね。
震災後、やはり地域が繋がっていることが大切だという話が出るようになりました。屋久島のこの風習は、いつまでも続けて欲しいところです。
またいろいろな暮しの断片を教えてください。
投稿: 三省 | 2012年1月24日 (火) 23時47分
三省さん
お久しぶりです。
こちらこそ、今年こそ(?…笑)よろしくお願いいたします。
この「鬼火焚き」も地方ならではの風習ですが、実はこの日の夜に執り行われる「門回り」というものがあり、これがまた地域のつながりを感じる風習です。
集落の青年団とそのOB(集落によっては子どもたち)が一軒一軒「祝い唄」を歌って回るというもので、回った先でお酒を振舞われるんですね。
お酒にあまり強くない僕は(でも好きなんですけどね)、いつも途中で酔いつぶれてしまいます……(笑)
この行事を経て、島では正月が明けるといった感じです。
投稿: フォトライター菊池 | 2012年1月25日 (水) 16時13分